“すべらない話”と”すべった話"を分けた、たった1つの違い


From:藤岡将貴

なぜかこのブログでも何度かお伝えしていますが、僕はお笑い番組を観るのが好きなんですね。で、いつもリアルタイムでは観ずに、お笑い番組を撮り溜めしているんですが、いよいよハードディスクレコーダーの空き容量が残り少なくなってきたんで、1つずつ観て消していこうと。で、まず最初に「人志松本のすべらない話」という番組を見た時のこと。

この番組をご存知ない方のために、どんな番組か簡単に説明すると、まず、ダウンタウンの松っちゃんがサイコロを振ります。サイコロには出演者14人の名前が一人ひとり書いてあります。サイコロで出た目の人が、自分の身の回りで起きた面白い話をする。というものです。

で、この時に、僕的に「すべらない話」と「すべった話」と感じた、ある二人の芸人さんの話があったんです。で、このことが、実は僕たちが発信するメッセージやセールスライティングにも共通することだと思ったので、今日はこの話をしようと思います。


小籔 vs ジュニア


その二人の芸人さんというのが、小藪千豊と千原ジュニアのお二人。まず、小籔の話。ざっくり言うと、彼の話は、こういうものでした。「テレビ番組に出演した時に楽屋で出されるお弁当に、彼のお気に入りのカレーのお弁当がある、と。お弁当が出ると、4回に1回くらいのペースでそのカレーの弁当が出されるんだけど、彼はもっとたくさん食べたい。なんなら2回に1回くらいでもいい。だから、スタッフにもっとカレーの回数を増やして欲しい、と頼んだんです。でも、なぜか、そのカレーのお弁当が一向に出てこない。回数が増えるどころか、むしろ減っている。スタッフに何度も頼んでるのに、それでも出てこない。で、最終的に、ことごとくカレーを出してこないスタッフが怖っ!」というような話だったんです。

次にジュニアの方はこんな感じでした。「芸人友達と”はとバス”で観光した時の話。新宿駅を出発して、バスガイドが話を始めたんだけど、はとバスの注意事項が細かくて、しかもめちゃめちゃ長い。で、気づいたら埼玉だった、という話。そのあと、バスを降りて訪れたお寺で60代くらいの面白い夫婦のエピソードを話す。」という感じでした。(細かいところはもう忘れているので、ちょっと違うかもしれませんが、ご容赦くださいw)


どっちが僕的に"すべった話"だったでしょうか?


で、僕的にどっちが「すべらない話」で、どっちが「すべった話」だったかというと、、、あくまで個人的な感じ方の違いはあると思うんですが、「カレーの話」の小藪の方は、聞いていて最後までオチを知りたい気持ちがどんどん高まっていって。司会の松っちゃんもそんな感じで。まだ話の途中で、結局カレーがきたのかどうなのか、早く知りたがっていて。で、最後、それでもカレーが来なかったというオチでドカンと大爆笑が起きて。

一方、ジュニアの方は、バスガイドの長い話の途中で気づいたら埼玉だった、というところで話が終わったのかな、と思ったら、急に60代くらいの夫婦の話に変わって。最終的に、無理やりオチをつけた感じになって。なんとなく、いまいちな印象で終わったように感じたんです。

(二人の話を詳しく知りたい方は、ネットで「すべらない話 小籔 カレー」「すべらない話 ジュニア はとバス」で検索したらYouTubeで動画があったので、そちらを見ていただくと、僕のニュアンスが伝わるんじゃないかとw)


この二人の話。一体、何が違ったのか?


それは、最初から最後まで1つの話で通したのか。それとも違う話をしてしまったのか。その違いだったんです。

小籔の方は終始「カレーがなかなか出てこない」という1つの話だけをし続けたことで、ずっと話のオチはまだか、まだか、という期待感を最後まで持たせることができたと思うんです。それに、話がシンプルだったので、何の話だったのか、強く印象に残っている感じでした。

でも、ジュニアの方は、途中で話が変わってしまったので、その瞬間に「ん?」となって。ちょっと関心の糸がそこで一度切れてしまった感じで。それに、2つの話をしたことで、どちらの印象も薄まってしまった感じもしたんです。


この話のなにがセールスライティングに通ずるのか?


この話。この記事の冒頭で「僕たちが発信するメッセージやセールスライティングにも共通すること」と言いましたが、実はこれと同じことを、あの「大富豪の起業術」「大富豪の仕事術」の著者、マイケルマスターソンも言っているんです。彼は「Rule of One」(1のルール)というコンセプトで、1つのアイデアに絞ることの重要性を伝えています。

マスターソンが彼のメルマガ「アーリー・トゥー・ライズ」で1年間に書いた記事を読み返していて、読者がどんな記事を高く評価したのかを調べると、高い評価を受けた記事はどれもひとつのアイデアに集中して書いているものだった、というのです。

そして、これはセールスライティングについても同じことが言えます。セールスライターの父であるビクター・シュワブという人は、1941年の著書『Howto Write a Good Advertisement(広告コピー入門)』で、当時の「広告ヘッドライン ベスト100」を挙げていますが、このうちの90は、ひとつのアイデアについて書かれたものだったんです。

マクドナルド等の多くのクライアントを持つベテラン広告コンサルタントのジェームズ・ロフタスという人も、この「1のルール」の考え方を支持しています。「多くのポイントを網羅しようとすればするほど、1つ1つの効果は下がり、広告自体の効果も下がるということを肝に命じておくべきだ。効果的な広告は、2~3の視点から語っていたとしても、中心となるテーマは1つしかない。ポイントが多岐にわたると、それぞれが競い合ってしまい、読み手の注意がバラバラの方向に向かうことになる。」彼はこのように言っています。


なぜ、ほとんどの人は「1のルール」に従わないのか?


でも、社長や事業主、セールスライターの多くは、この「1のルール」を守ろうとしません。「1のルール」に従わずに、できる限り多くのことを伝えようとしてしまいます。その理由をマスターソンはこう言います。「どのベネフィットを押したら期待通りになるかわからない。だから、とりあえず、プロモーションでは全部使うことにしよう。そうすれば、うまくいかないものが1つあっても、別のどれかでうまく行くだろう」

まさに、僕が観たすべらない話のジュニアの話はそんな感じでした。マスターソンはそれを「B級コピーライターの定番レシピ」と呼んでいます。では、セールスライティングで、そんな「すべった話」になるのを避けるためにはどうしたらいいのか?「1のルール」として、次のことを常に意識しておくといいとマスターソンは言います。

・ただ1つの強力なアイデアでプロモーションを牽引する
・読み手が反応せざるをえないような、ただ1つの感情を起こすアイデアであるようにする
・そのアイデアだけに集中したストーリー、あるいは説得力のある事実で、アイデアを裏付けする
・読み手を、ただ1つの行動に導く

実は、この「1のルール」。メルマガやセールスライティングだけでなく、毎日の仕事の場面でも活用できるんです。例えば、ミーティングに参加する前に、その場で達成したいことをひとつ考えてみるんです。で、ミーティングでは、その1つのイシューについて考える。常にそこに立ち返るように意識します。そうすることで、ミーティング後には、それまでよりもかなりの確率で目的を達成できるはずです。

ぜひ、メルマガ、セールスレターなど、あなたが発信するメッセージ。それから、ミーティングの時にも、この「1のルール」を意識してみてはどうでしょうか?

-藤岡将貴


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